ごく普通の会社員がグローバルビジネスの輪に入っていく方法

留学してMBA取らなくても、普通の会社員がグローバルビジネスに飛び込んでいく方法あります

ビジネス書が人生を変えていく①

困難な状況を落ち着かせるために、水先案内人の本を探す

 

大学ではフランス文学とか心理学とか文化人類学の本ばかり読んでいました。広告代理店に入社してからも、ビジネス書などは積極的に読みませんでした。20代、30代の頃は、一生懸命仕事していたように思えますが、その実、フリだけで、本当は仕事が好きじゃなかったんだと思います。できれば、仕事なんてしたくない、という気分が心の奥底にあったように記憶しています。だから本屋に入ってもビジネス書コーナーはめったに行きませんでした。

 

それが、2011年にひょんな事から新規事業の責任者になり、突然、ヘリコプターで戦地に送り出されるように、ジャングルのようなグローバルビジネスの輪に入っていきました。それからです。効く薬を求めるようにビジネス書を買い漁り、年柄年中読むようになったのは。

僕は時々自分の境遇を「プチ・ジョン万次郎」と表現して人に伝えます。ジョン万次郎のような偉人と肩を並べるほどの壮絶な体験をしたわけではないですが、僕もいわば運命によって遠い異国に押し流されててしまったわけです。そうすると、それまでの会社生活で積み上げてきた会社員としてのアイデンティティが脆くも崩れ去り、精神的に不安定になっていきました。そんな時困難を乗り切るために、少し先を伝えてくれるようなビジネス書が心の支えになってくれました。

真の意味で僕を救ってくれたビジネス書は多数あるので、このブログで時々、紹介していこうと思います。

 

「起業は1冊のノートから始めなさい」(上野光夫著:ダイヤモンド社

 

www.diamond.co.jp

 

僕は、この本に本当に助けられました。冒頭話したように、新規事業で、フランスのスタートアップと協業する仕事を2011年から始めたのですが、協業相手は、フランス人のシリアルアントレプレナーでした。その頃は、まだ「スタートアップ」や「起業家」という言葉が今ほどポピュラーではなかった時代です。彼のビジネスの流儀、生き方、金の儲け方、人脈の作り方、ファイナンス発想に拳でぶん殴られたくらいの強い衝撃を受けました。それを、ごく普通のサラリーマンが自分事としてなんとか昇華するためには、「翻訳者」が必要でした。その役割をこの本が担ってくれました。会社に雇われるのではなくて、起業して、成功する人生を選ぶというのはどういうことなのか?今までそんな事考えることなく、自動的に会社員になって働き、何も考えることなく日々過ごしていたので、成功した外国人起業家と日々仕事することはあまりに刺激が強すぎたのです。この体験から何を学ぶべきなのか?戸惑いの連続でした。

 

サラリーマンも起業できる

 

著者の上野さんは、政府系金融機関の融資担当だったそうです。上野さんは序文でこのような文章を記しています。

「とりわけ、ある起業家のことが強く印象に残っています。その人は、起業の準備過程をたくさんの大学ノートにしたたけていました。起業の動機や理念を初めとして、準備段階で収集した情報など多岐にわたる記録が書かれていました。融資するかどうかを判断する立場だった私は、綿密に準備した様子を見て、迷うことなく融資OKの結論を出しました。今やこの起業家は、地域の同業種で1,2位を争うほどの業績をあげています。」

 

僕は、この本を読み、「そうだ、自分だって起業できるんだ」と思いました。自分が日々接しているフランス人起業家のようにグローバルでダイナミックなビジネスができるとは思えないが、それでも、自分の身の丈にあった起業はあるはずだ、と気づきました。今から約、十年前です。それ以来「アントレプレナーノート」をこの本のアドバイスに従って記し続けてます。ビジネスモデルの検討や、スケジュール、起業家マインドの強化等、具体的で実践的なアドバイスが本当に役立ちました。そしてこのノートを記していくことで勤務先の日々の業務がその目線でできるようになり、仕事に熱中できるようになりました。ワーカーホリックとは違うと思います。まるで丸太をノミで削って彫刻を掘り芸術作品を作っているような陶酔感。仕事とはこういう世界なのだと五十前に初めて気づきました。そういう仕事に対する意識を大きく変えるのに役立った思い出深い一冊です。

 

そして、今、僕は58歳。実はまだ会社に所属しています。そして今もこの本を時々読み返してます。さまざまな事情から結果的に起業はしませんでした。でも、60歳を機に卒業し、起業することにしました。ようやくこの本によって始めた「起業家ノート」が生きてくる日が近づいていてワクワクしてます。

 

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