ごく普通の会社員がグローバルビジネスの輪に入っていく方法

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海外スタートアップの社員は解雇されたらどういう反応するか?

2011年から海外のスタートアップと一緒に仕事する任務についてから、現在までずっと世界各国のスタートアップとの業務を続けてます。僕の勤務先の会社とパートナーとなった会社の多くは、社員が数十人の小規模の会社で、グローバル市場に活路を見出して、いつの日か、売上が急拡大するのをめざしています。それゆえに、時に、資金繰りに困り、やむなく突然解雇をする企業も珍しくありません。

 

僕は、この十数年間で、日々、一緒に仕事にしていた(物理的な場所は離れていたけれども)仕事仲間が突然解雇にあった経験を三回しています。シンガポールにいたフランス人、そしてドイツ人、そして香港にいたイギリス人。

時期はそれぞれ異なりますが、三人とも、それぞれ、深い信頼関係ができ、友人とも言える関係になっていたので、彼らが解雇された当日に、連絡が来ました。

 

三人はどのような反応だったと思いますか?

 

それを答える前に、質問です。

もし、あなたが、ある日、突然、上司から、「明日から来なくていい。」なんて言われたら、どういう反応をしますか?突然、パニックに陥るでしょう。僕だってそうです。

でも、「欧米企業では解雇されるのは日常茶飯事だから、社員はすんなり受け止めて次の職を淡々と探そうとするのだろう」なんて思ってませんか? 映画やドラマで見たシーンを根拠にして。少なくとも僕はそのように思ってました。

 

でも、違うんです。やはり三人ともにパニック状態でした。フランス人とドイツ人は、英語はネイティブではないけれども、小さな頃から学んできた人たちなので、普段、流暢に英語を話しますが、僕に連絡してきて、解雇の状況を説明する際は、フランス語とドイツ語が、混在して、何を話しているのか、わからなくなる時が多々ありました。香港のイギリス人も、普段、英語が上手ではない僕に対して、平易な単語や表現を使ってくれてましたが、解雇通知のショックを表現する際は、あまりに早口で、かつ表現も何を指しているのかわからないようなフレーズばかりでした。

 

パニック状態に陥ると、人は、後天的に身につけた知識は吹き飛ぶんだと思いました。そして、それくらい突然解雇されるというのはどこの国の人でも大変なんだと思いました。特に、スタートアップのような少人数の会社においては、一人一人が仕事の面だけでなく、人間関係においても、そこそこの役割を担っているので、そういう中で、一部の人が突然いなくなるというのはかなりショッキングな出来事だと思います。

収入を得る手段を失うことのショック以上に、まるで、存在理由を否定されるような通達にショックを受けるのだと思います。

 

そしていうまでもなく、スタートアップにおいては、解雇する方も大変です。

そのフランス人が解雇された後、一年ほどして、解雇した側の経営者に、東京で会いました。夕食に誘って、赤坂の焼き鳥屋に二人で行きました。カウンターで、ビールを飲みながら、仕事の話をした後、彼に、その解雇した事情が知りたくて、話をふったら、堰を切ったように話し始めて、最後には涙を流してました。どうしても、一人解雇しないと経営が続かない場面だったそうです。そのような経営状態に一時、陥っていたということを知り、肝を冷やしましたが、同時にスタートアップというのはビジネスにおける道場みたいなものなんだと思いました。

 

解雇されたフランス人、解雇した経営者、それぞれ非常にタフな時をすごしたわけです。そして二人共、そういう経験を経て、それぞれのビジネスフィールドで大成功しています。

 

僕は、友人の突然解雇を目の前で見る経験を通じて、金魚鉢の中の金魚のように会社に依存する会社員ではなく、自分で仕事を創り出せて、稼いでいける仕事のスキルを身につけないと、この先本当に大変だなと痛感しました。今から思えば貴重な経験だったように思います。